思考のヒント 〜グルジェフの言葉、引用 『失望』

人はあらかじめ失望していなければならない。第一に自分につまり自分の力に関して、第二に自分がもう知っている道の全てに関して、失望していなければならない。

 

自分がこれまでにしてきたことやこれまでの探究の結果に失望していない人は、この教えが提供しうるもっとも貴重なものを察せられない。

 

科学者なら、科学に失望していなければならない。

宗教的な人なら、自分の宗教に失望していなければならない。

政治家なら、政治に失望していなければならない。

哲学者なら、哲学に失望していなければならない。

神智学協会員奈良、神智学に失望していなければならない。

オカルチストなら、オカルトに失望していなければならない。

他の人たちも同様に、自分のしてきたことに失望していなければならない。

だが、これがどう言うことなのか、あなた方は理解しなければならない。

例えば、宗教的な人は、宗教に失望しなければならないと私は言う。信仰を失うべきであると言っているのではない。そうではなくて、自分の知っている宗教は自分にとって満足のいくものではないという点で、それは自分を何処にも導かないことを知り、その教理と手段に対してのみ失望するということを言っている。

野蛮人の全くもって、堕落した宗教や最近の模造的な宗教や宗派はもちろん問題外だが、それらを除いた宗教にはみな、二つの部分、よく知られた部分と知られざる部分がある。

宗教に失望する必要があるというのは、このうちよく知られた部分について失望し、宗教の知られざる部分、秘められた部分を探る必要性を感じる必要があるということだ。